会員の雑感(8)

     迷惑物件

2025年の夏も地球温暖化が年々進んでいることを強く感じさせた。立秋を過ぎたばかりでまだ夏であるが 暑さのピークは過ぎたと思われるので厳しい季節を振り返ってみようと思う。この夏は6月末の梅雨明け 発表からその異常さを感じさせられた。昨年までは高齢者は不要不急の外出を避けるように などと具体的な注意があったが、今年は熱中症警戒アラートという一言で注意喚起している。梅雨が 早く開けたせいだろう、セミが鳴かない夏などと心配する声が聞かれたが、セミにも体内時計があると 見え、7月末くらいから例年通り鳴き始めた。しかし、温度がピークに達する午後はクマゼミといえど 鳴くことができず、昼寝には好都合だった。調べてみるとクマゼミが鳴くのは32度までで、35度超えが 珍しくない夏の午後はクマゼミも静かにしているようだ。
何度か書いたが、下見里山の中は猛暑とは無縁である。梅雨明けして以来、雨が降らなかったので 欠かすこと無く、隔日実施の下見里山散歩を続けることができたが、山の中で暑いと思ったことは ない。但し、山を往復する経路は別である。ほとんどが田んぼで、稲が大きく育っているが頭の 上から容赦なく日光が照りつける。設定温度を狂ったように押し上げる暖房機である。私の散歩は 3時間程度を要するので、盛夏の時期は朝の0630までには散歩に出るようにしている。こうすれば 水を持参しなくても散歩を終えて自宅に戻ることが出来る。
この夏は8月上旬が暑さのピークだったように思う。雨は降らず、雨雲のようなのが出ても、いつの間にか 消えて強烈な太陽光が戻り、気温も35度を超えることがあった。それでも山道では季節の移ろいを 感じた。早朝に散歩を始めるので、ヒグラシが一部、鳴いていることもある。ヒグラシというのは 率直に言って鈍い。私が歩くとき、驚いて木から飛びたち、私にぶつかってきたことが何度もある。 蜘蛛の巣に引っかかってもがいているのを見かけることもあり、救い出してやった。救い出すと元気に 飛び回ることもあるが、大抵は飛べずに地上でバタバタする。蜘蛛の餌食から蟻の餌食に変わった だけかもしれないが、私はセミが好きなので、見つけ次第、蜘蛛の巣を壊して助け出すことにしている。 そして、7月末から迷惑物件の笹草が迷惑 行為の準備を始める。早いものは迷惑のもとになる種子(だと思う)を伸ばし始めている。日本一、 笹草を目の敵にしていると自認する私は見つけ次第、木の枝で叩き落としている。この文章を お読みの方は是非、ご協力願いたい。もし貴殿が私と同じようにズボンに大量に付着する 笹草の種子を迷惑だと感じるならば。
猛暑のピークを過ぎてしばらくすると停滞前線(私は梅雨前線だと思う)が発生し、あれほど 待ち焦がれた雨が降り出した。農家の方にとっては恵みの雨だと思った。しかし、空は程度を 弁えない。温度設定と同様に、「ほどほど」ということを知らないようだ。今年は梅雨明け時の大雨が 無く良かったと思っていたが、忘れた頃にやってきた。九州では大きな被害が出たようだ。上の 写真は八幡池である。この池は水量が少なめで、梅雨時期以外は水が無く、雑草に覆われている。 今年は梅雨の雨量が少なく、池に水が溜まることはなかった。今年は水無し状態で終わるのかと 思っていたら、今になって多量に雨が降り、八幡池も池らしくなったので写真撮影した。
この度の雨は4日程度続いたので、散歩が久しぶりに休みになった。時をほぼ同じくして、 我がHPのサーバとして使っているPC(本ページの写真参照)のOSのバーションアップがあった。 これは神のお告げかと思い、バージョンアップ作業を実施した。作業自体は30分程度で終わったが、 バージョンアップは大規模であったと見え、Webサーバ(つまり貴殿が今ご覧のHPを動かして いるサーバ)とメールサーバが両方とも動作しなくなり、慌てた。Webサーバの方は サーバアプリをインストールし直したら動き始めた。HPの停止時間は15分程度だった。 しかしメールサーバには苦労した。サーバアプリは動いているのだが、送信も受信も 駄目だった。バージョンアップ作業を始めたのが夜の8時頃で、4時間以上粘ったが 駄目だった。一旦眠ったが、気になったのだろう、次の日の朝4時過ぎに目が覚めたので 作業を再開した。午前中粘っても駄目だった。午後の割と早い時間にやっと外部からの 接続を受け付けるようになった。つまりメールサーバのメールボックスにメールが入って くるようにできた。
しかし、この状態では問題は解決していない。サーバまでメールが届いてもこれをPCで読み出す ことができなければ使い物にならない。更に1時間程度の作業をしてやっとPCからメールサーバ にアクセスできるようになり、問題解決した。実質、半日以上は費やしただろうか。メールが 使えるようになったので早速、送受信テストである。メールアカウントには3種類のものが あることをご存知だろうか?(1)は私のように個人でメールサーバを立ち上げているものが 持つメールアカウント、(2)はインターネット接続業者の提供するメールアカウント、そして (3)はフリーメールアカウントである。私はメールテストの目的で(1),(2),(3)の全ての タイプのメールアカウントを持っている。受信テストとして(2), (3)のタイプのメールアカウント から(1)のタイプのアカウント(テストしているアカウント)にテストメールを送信した。 全て問題なく受信できた。受信テストが完了である。次に逆のことをする(送信テスト)。 (2)のタイプのアカウント(私の場合は契約している光ケーブル回線業者から提供されている メールアカウント)へ送信してみた。問題なし。最後に(3)のタイプのメールアカウントへの 送信である。但し、googleが提供しているgmail宛にテストメールを送ることはしなかった。 ご存知かも知れないが、gmailは受信メールに対する審査が厳しく、(1)のタイプのメールアカウント からのメールは受信拒否、もしくは迷惑メールに分類される。そこでyahooのメールアカウントに テストメールを送信した。
テストメールが受け付けられ、送信テストも問題なしというのを期待したが、いつまで経っても yahooのメールアカウントに(1)から送信したテストメールが届かなかった。そこでメールサーバの ログをチェックしてみると、問題なく送出しているようだった。これはyahooのサイトにログインし、 メールが届いているかどうか確認するしか無いと思い、そのようにした。ところで、メールを読み出す には2つの方式があるのをご存知だろうか?POPという方式とIMAPという方式である。POPという 方式はPCにインストールしてあるメールアプリにメールボックスから受信メールを取り出して 読む方式である。特に指定をしない限り、取り出したメールのコピーはメールボックスに残らない。 郵便受けから書簡を取り出すことをイメージしてほしい。私はyahooのメールアカウントからPOP 方式でメールを取り出している。もう一つのIMAPという方式は、現在はこちらが主流かも知れないが、 メールボックスの中の受信メールを直接に読む方式である。したがって、読み終えた後も、自分で 積極的に受信メールを削除しない限りメールボックスにメールが残ったままになる。複数のPCや スマホを持っている場合、IMAPでメールを読み出せば、メールはいつまでも読み出せることになる。 yahooのサイトに直接ログインしてメールを読むというのはIMAPによるメール読み出しということ になる。
yahooサイトで自分のメールアカウントをみると、受信ボックス以外にも迷惑メールボックスが あり、私のテストメールは「見事に」迷惑メールボックスに届いていた。なお、POP動作は 受信ボックスに対してのみ行われるので、迷惑メールボックスに「届いた」メールはPOPする ことができない。これで送信テスト完了とし、メールサーバに関する問題は完全に解決した。 しかし、迷惑メールボックスの中を見て驚いた。我々のグループ SYGでは相互連絡のために メールによる方式(メーリングリスト)とLineによる方式とを併用している。メーリングリスト から私宛に届いた連絡メールが迷惑メールボックスの中に3通、届いていた。これは看過できない。 連絡を受け取るのに支障をきたしているではないか!
いつから始まったのか知らないが、yahooメールには迷惑メールフィルタというのが導入されており、 このフィルタで怪しいメールは迷惑メールボックスに分類されるらしい。私のテストメールなら ともかく、SYGの連絡メールまで迷惑に振り分けるとは、私にとってはこれは迷惑フィルタであり、 迷惑物件が増えたようなものである。yahooの説明によると、迷惑メールフィルタは日夜学習し、 次第に振り分け精度が高まるとのことである。そのような悠長なことは言ってられないので インターネットで迷惑メールフィルタを無効にする方法を探し出し、即刻、無効にした。 無効にできることはyahooの良識である。今後とも使い続けます、宜しく。
考えてみると、メール送信テストをしたお陰で、迷惑(メール)フィルタの存在を知り、 これを無効にすることができた。もし私のメールシステムに不具合が起きなければ、 いつまでもSYGの連絡メールを見落とす状況が続いていたことになる。それを考えると サーバPCのOSバージョンアップは無駄ではなかった。下見五座の方を向いて一礼し、 この夏も隔日散歩を続けることを再確認した。下見里山散歩のお陰で半日以上を連続的に 費やして、後期高齢者が問題解決することができた。

高齢者が経験する夏の思い出はこの程度のものである。

元の場所に戻ります。